冬しか辿り着けないキャンプ地はどこだ??

2017-03-31

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毎年、雪の積もり始めるこの季節になると考えだすことがある。
それが何かといえば、まだ誰も分け入っていない雪の森の奥深くへのキャンプだ。

多くの人は、険しい山や森の中に入り込むという行為は、暖かく雪のない夏などに行うものだとイメージするだろう。
けれど、実はそれが逆の場合もあるのだ。

夏草が生い茂り、背丈を超すようなヤブの森というのは、実際には相当に苦労する。

一足毎に草木を踏み倒しながら、進む。
顔と体、バックパックに絡みついてくる立木の枝。
引っかき傷を作りながら体をかがめ、ひねり、進む。

相当進んだと思っても、実際の移動速度はせいぜい、時速1~2km程度だ。
山深くまで入ってきたかなと思っても、振り返ってみるとスタート地点の道路がまだ見えたりすることもある。

だが、冬にはこの状況が消えてしまうのだ。

 

雪の多い地域では、地表に生える草や小枝は、深く積もった雪の下に隠れてしまう。
雪上に顔を出しているのは、高さ数メートルから上の部分に当たる樹木だけだ。

結果、無積雪期には到底、入り込むことの不可能だった森の奥へのアクセスが、この時期だけ可能になる。
誰も足を踏み入れていない、雪に覆われた森の中。

 

ダケカンバの林を抜けていくと、ポッカリと空いた空き地が広がる。

立ち止まり、自分の立てるザックザックという音が消えると、世界から音が消えたと思う程の静寂が身を包む。

地球上で一人きりになってしまったような錯覚さえ覚える、少し怖くなってしまう位に静かな場所。

バーナーで沸かしたお茶をマグカップに注ぎ、冷えた両手で包み込むと、じんわりと暖かさが沁みてくる。

 

冬の時期にだけ出現する、他人にはそうそう見ることの出来ない、自分だけのプライベートなキャンプ地がそこにはある。

夏のキャンプとは違う、ましてや管理されたキャンプ場では味わえない景色、空気。

 

無論、雪の上を歩き、野営を行うには、それなりの装備が必要になってくる。

これまで何度か、このコラムでも紹介したスノーシューや、スノーランブラーといった、脚が沈まないための道具達。
これらはスキーやスノボと違い、練習すること無く、簡単に使いこなせてしまうのが魅力でもある。

空ならばパラグライダー、海ならばシーカヤックやヨットといったような、特別な光景に辿り着く為の、高価で大げさな道具は要らない。
健康な脚さえあれば、誰でもすぐに、なかなか見ることの出来ない景色を、手軽に手に入れられるのだから。

まだやってみたことのない方は、この冬、初体験してみることを強くオススメする。

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