キャンプの風はどう防ぐ?

Zelthering01

 

ここ最近、風の強いキャンプが多かった。
11月頭に行った宮古島ツアーでは、野営場所のビーチが風速10mオーバーの風が吹いており、初日はテント泊を諦めてしまった。

キャンプに限らず、アウトドアでの遊びでは、実は雨よりも風のほうが厄介ということが多い。雨は(横殴りの嵐でない限り)タープがあれば凌げるし、むしろシトシトと落ち着いた雰囲気の中で、のんびりとした時間を楽しむことすらできる。

が、、風はそうはいかない。雨に比べて防御することが難しいのだ。その理由は幾つかあるが、、、

・テントやタープが煽られ、下手をすると飛んでいったり破れたりしかねない。
・皿や食器が飛ばされたり、道具類が倒されたりしてしまう。
・焚火は火の粉が舞い、危険だったり、火のコントロールが大変になる。
・そして何より、、、落ち着いて楽しめない、眠れない。

しかし、自然相手の野外活動ではそういった状況に出くわすことも少なくない。風を止ませることは不可能なのだから、我々が出来ることは上手く対処するか、でなければ、インドアに逃げるかのどちらかになる。

では、具体的に風を避け、少しでも快適に野営するにはどうしたら良いのかを考えてみたい。

 

1、場所の選択

地形により、風が強く吹き付ける場所と、比較的そうでない場所が存在することが多い。その、風が弱い場所を選んで設営するのが、風対策の大前提だ。

例えば、開けた草原のような場所は開放的で気持ちよく、太陽の光も十分に降り注いで、素敵なキャンプができそうに思える。確かに風のない日であればそうだろうが、遮るものが何もない吹っさらしの場所は、強風の日には最悪の野営場所となる。

それよりも、風上にある草原と木立の境の、森に少し入り込んだ場所ならば、だいぶ風の影響を弱めることも出来るだろう。

同じように、崖や丘陵の風下側の陰になっている場所の風の具合がどうか確認してみたり、場合によっては大木、大きな岩、建物の風下側なども多少は役に立つだろう。

もし、このように有効に使える自然物が無い、あるいは少ない場合には、人工物も併せて利用しても良い。例えば背の高い1BOXカーで風を遮ってみたり、背の高い大型テントがあるなら、タープの風上に配置する、あるいはこれら両方を組み合わせるなどの工夫だ。

要は、何となく野営場所を選ぶのでなく、少しでも風を弱めることが出来る場所や工夫ができないか、試してみることが大事なのである。

この方法は、エリアを指定されてしまうタイプのキャンプ場では困難かもしれないが、混雑時でなければ、風当たりの弱いサイトを探して、管理人に場所の変更を交渉してみよう。事情が許せば、あまり拒否されることもない筈だ。

また、今はスマホの天気予報アプリなどで、今後予想される風の強さや向きを簡単に知ることも出来る(Yahoo天気アプリなど)

極端に風向きが逆になったりすることは少ないと思うが、それでも、折角風の少ない場所を選んで建てたテントが、夜中に風向きが変わったせいで飛ばされたりする可能性もなくはない。なので、設営前にその後の風の方向と強さを確認しておこう。

 

2、しっかりとした設営

少しでも風の弱い場所を選ぶことができたら、次は人工的に出来る風対策の番だ。と言ってもやることは特段、普段の設営と変わりはない。行うのはテントやタープのしっかりとしたペグダウン(杭による固定)が基本になる。

私も含め、晴れて天候の悪化する恐れがない日などは、テントのガイラインのペグダウンを省略している人も多いと思う。

しかし、強風時には、それらを確実に張るのはもちろん、軟弱でペグの効きが弱い地面などであれば、1本のラインを2本のペグで支えたり、状況によってはそこらに転がっている太めの枝を加工して、大型のペグを作ってやることも考えよう。

砂浜や岩だらけの河原などでは、ラインを丸太に回して地面に埋めたり、岩に巻きつけてその上に他の岩を重ねたりという、ペグを使用しない方法も有効だ。

また、テントやタープには、このような状況の為に、追加で紐を取り付けられるハトメやループが備わっている製品も多い。これを利用してガイラインを増やし、前述のように即席ペグを作ってやれば、より強固に固定してやることも出来る。但しこれには、トートラインヒッチなど、最低限のロープワークが必要となってくる。

他には、フライシートの裾を、土や砂、雪、石などで覆い、風が下に潜り込まないようにするのも有効だ。

また、基本だが、テントの入口は必ず風下に向けて建てること。でないと、入り口を開けた途端、風が真正面から吹き込むことになる。恐らく、テントは耐えられずに飛ばされるか、破れたり、ポールが曲がったりするだろう。

尚、耐風性の高いテントを選ぶかどうかについては、今回のテーマでは敢えて触れない。確かに大きなファクターではあるが、その点を優先しすぎると他の性能(重量、通気性など)との引き換えになる。それは、個人それぞれの野営スタイル、目的により違うので、何を優先するかについては各自で判断することだ。

どんなひどい嵐にも耐えられるテントが欲しいという言うのならば、エベレストなどの高所登山に使われるものか、特殊ナイロン素材に何本も張り綱の付いたものを選べば良い。その代わりクソ狭くひどい居住性を我慢したり、設営と撤収にとんでもない手間を取られることを覚悟しなくてはならない。

究極、風に耐えられるかどうかは、風力vs.テントの強度と固定の確かさの争いだ。私個人の経験で言えば、上記のような特殊なテント以外では、風に負ける時は負ける。

ハッキリ言って、そんな嵐の中でテントが倒れないよう努力しているくらいなら、さっさとどこかの物陰に避難して、寝袋の上からポンチョでも被って寝てるほうがマシだ。

体を休めるためのネグラであるテントを維持するために、体力を使ってしまうのでは本末転倒になるからである。

 


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