初夏になるこれからの時期は、野外がとても気持ち良い季節。
特に、日が長くなり風が心地よく感じられる、5月後半~6月の梅雨入り前は、私も大好きな時期だ。
しかし、春と秋は、昼夜の寒暖差が大きい季節としても知られている。
特に、標高の高い山や高原では、日中、日差しが強く、暖かく感じられていた気温が夕方から急に下がることもしばしば。
そして夜は、一ケタ台へと下がり、それに伴って冬の服装が必要になることもある。
都会を離れた大自然、高い山の上で、澄んだ美しい星を見ながら泊まりたい。。
こんな憧れはあなたも一度は抱いたことがあるのではないかと思う?
ところが!美しい星空は寒さの原因でもある。
それは昼間の熱が空に昇り、熱が地上から逃げてしまうことによるもの。
気象用語で言うところの、”放射冷却現象”というヤツだ。
上空が抜けるように綺麗な空は、熱を押さえておく”蓋”の役割をする雲が無い為、冷えてしまうのである。
また、登山をする方なら良くご存知のように、高度が上がるにつれて、気温は低くなる。
平均的な目安として、
”標高が100m上がる毎に、温度は0.6℃ずつ低下していく”
例えば、富士山は標高が3,776mなので、0.6℃×(3,776m/100m=約37)=22.2℃
本日、15時の東京の気温は18℃だったので、ここから比べると、18℃ー22.2℃=-4.2℃
つまり、富士山のてっぺんの今日の午後の気温は、5月だと言うのに-4.2℃!
これは、2月の稚内の月平均気温(-4.7℃)に迫る温度ということになる。
そこまでいかなくても、代表的な観光地の軽井沢、那須高原辺りは高度900m~1,000m前後。
このあたりなら、気軽にファミリーキャンプに行けるかな?なんて思ってる人も多いだろう。
けれど、先ほどの計算で行けば、平地より6℃位は温度が低い筈。
この時期は、昼間の一番暖かい時でも、気温はせいぜい10℃台後半しかない。
そしてもう一つ、風による体感気温の目安も、アウトドアの基礎知識として存在する。
それは、”風速1m/秒につき、体感温度は1℃下がる”というもの。
微風程度の風速1~2mならば問題ないこの体感温度も、野外では大きな問題。
ある程度、標高が高い場所で、気温が下がってきた夜に風など吹いたら、、
昼間のラフな格好では、とても耐えられるものではない。
こうした理由から、山の本やキャンプマニュアルなどでは、荷物の中に防寒着を必ず入れるよう書かれている。
今はアウトドア用品店で、ギュッと小さくするとおにぎり位にもなる、ウインドブレーカーが売られている。
これに防水スプレーをかけておいて、バッグの脇のポケットにポンと入れておく。
ふらりと出掛けた旅先で、思わぬ寒さに出くわしても、こうしたものがあるだけでかなり助かる。
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