大人向けキャンプ・焚き火・アウトドア体験創造集団「週末冒険会」
コラム

焚き火の後始末

とあるSNSのコミュニティで、焚き火の後始末についてのトピックを見かけた。

書き込み主の質問の趣旨としては、色々調べたのだがその方法については人によりまちまちで、一体どれがベストなの?ということを知りたいということだった。

焚き火をすれば、灰や炭が残る。地面が燃える、汚れる。人が自然界に入り込んで過ごす時、自然へ何かしらのダメージを与えることは避けられない。ならば、どこまでを許容範囲とするか?ということが重要なポイントになるのだが、このSNSの書き込みの中に、まさに正論が書かれてあった。

それは、”自然の持つ力で回復が可能かどうか”という一言だ。これは私も同じ考えであり、週末冒険会が行う焚き火やその処理についても、このコンセプトに沿って行っている。

そして、その焚き火の後始末の方法だが、方法論は人により意見が分かれる部分も多い。が、いずれにしろキャンプ場でもそれ以外の場所でも基本は変わらないので、以下は山野での野営の際の処理方法を紹介してみたい。

 

まず、しっかりと消火するというのは当たり前。その上で、私の流儀は下記の通りになる。

1、極限まで燃やし尽くし、炭は残さない(炭はほぼ自然分解せず、半永久的に残る。)その為に、薪の投入は出発1時間前までとする(太い薪ならば2時間前) どうしても燃え残ってしまった小さな炭の欠片は、踏み潰したりスコップ、石などで叩いて細かく粉砕する。

2、出発の20分前には水をかけて消火し、出発時に地面に手を当て、完全に冷えていることを確認する。もしこの時に地面が温かかったら、地中に燃え残りがあると判断されるので、掘り起こして再度、水をかける。

3、かまどを組んだ石などは、冷めていることを確認してから、元の場所に戻す。穴を掘ったりしている場合は埋め返す。(キャンプ場の場合、やたらとかまどの痕を増やさぬよう、敢えてその場所に石積しておくのもアリ)

4、灰は埋め戻すか、分量が周辺の美観を損ねない程度であるならば、周辺に撒いて処理する。

 

特に水の量に制限のある環境(キャンプ場以外で、かつ川や海など消火用水がふんだんに得られない場所)での焚き火の後始末は、しっかりした手順がとても重要だ。

消火用水が無く、上記2、の手順を省略せざるを得ないのであれば、1時間以上前には自然鎮火させてかまどを完全にバラし、燃え跡の温度をしっかり下げる。こうすることで、燃焼に必要な3つの要素(燃料、酸素、温度)のうちの温度を除去できるので、再燃の可能性はほぼ完全に無くなる。
 

尚、キャンプ場であれば、焚き火の後始末についてのルールを明示してある場合も多く、その場合は炭・炭捨て場が設置されていることが殆どなので、そのルールに従えば問題はない。
野山でキャンプした際にしっかりとした後始末が出来るのであれば、キャンプ場でも同じ処理手順を踏めば良いだけであり、その上で灰捨て場があるのであれば、より簡単になるだけだ。
 
上記で書いたように、燃え残りがないように最後まで燃やし尽くすというのが基本なのだが、直火OKなキャンプ場で良くあるパターンとして、燃え残りの薪(燃えさし)がキャンプサイトの片隅に放置されていたり、かまどの痕に消し炭が残されているのを見かける。

これがキャンプ場にとっては美観を損ない、また次に入場するお客様の迷惑となるために、直火禁止となっている実情がある。

けれど、そうした燃えさしや余った炭などの、キャンプを終えた者にとってはただ厄介な代物も、次に焚き火を行う者にとっては貴重な燃料となる。

ならばいっそ、残った燃えさしや炭は、専用の置き場などを設置して、次の人が再利用できる仕組みを作れば、美観も損ねず管理者側のゴミの処理といった手間も減るのに、、と思うことが良くある。(キャンプ場の薪の売り上げも減るかもしれないが)

 

また、直火による地面へのインパクトについては、野外での直火は一度限りであれば自然界の回復力がカバーしてくれる範囲と私は考えている(だからこそ焚き火は必要最小限の小さなサイズで行う)

しかし逆に、直火可能なキャンプ場であればこそ、そのエリアを指定すべきだと考えている。繰り返し多数のキャンパーの焚き火にさらされる地面は、自然の持つ回復力を超えて破壊されるので、その影響を最小限にとどめるには、直火OKな場所を決める必要がある。

こうした前提の元で、優れた焚き火の方法である直火を行うことが、自然にもキャンパーにもメリットのある焚き火となるだろう。(直火についてはこちらも参照⇒焚き火台と直火禁止の関係

尚、ゴミの焼却処分については、これも意見が分かれるところだ。人によっては、焚き火でのごみ焼きは美学に反すると考える人もいる。私の場合は紙類、及び野菜くずなどの生ごみを燃やすことはOKで、プラスチック類などは持ち帰る。

しかしこれも程度問題で、大量のダンボール紙などは灰の量が多く出るのでNGと思っているし、生ごみを燃やすにしても、しっかり燃え尽きるように、高温の熾火が出来ている状態でなければ投入しない。どちらも、後始末の際に問題とならないためだ。

そしてこれを突き詰めると、いかに荷物を減らすかの延長として、いかにごみを出さないようにするか?という事に繋がる。特に食品類の包装関係はゴミの中心となりやすい。例えば携行に不要な食料品の外箱やプラスチックトレー、飲料のボトルなどはその主たる例だ。

こうしたものをいかに省き、かつ軽量で嵩張らない代替手段で持ち運ぶか?というようなことを考えると、行きつく先はミニマムな装備、そして現地で入手できるものを活かしていかに野営を上手く行うか?という方向性に行きつくことになる。

 

野営地には感謝のみ残す。この言葉は昔、ボーイスカウト時代に教えられた。それが今、現代社会で焚き火を楽しむ為に、昔より遥かに重要な意味を持っていると気付いた。

焚き火の細かい方法論、自然環境への影響への考え方は人それぞれで良いと思っている。モラルはルールの上位に位置するものであり、ルールや法律で縛ることは、自由と自己責任という、野外での大原則を壊すことだからだ。

それよりも、間違いないのは、来た時よりも美しくという考えだ。

そうすれば、キャンプ場の管理人も、海山川の近くに住むご近所さんにも嫌われず、より自由に楽しめるフィールドが拡がることに繋がる。

 

一人、野外で過ごす為に必要な焚き火術を学ぶには、、
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