蒼の時間

 
一昨日の夜中(正確には昨日の明け方)の話。

 

前の晩、ソファに寝そべりながら読書をしたまま、かなり本格的に寝入ってしまった私は、明け方の薄ら寒さで眼を覚ました。

時刻は午前4:50分。

点けっぱなしのデスクライトを消し、もう一度布団で眠ろうと身を起こした眼に、半分開けっ放しの窓の向こうの明け方の空が映っていた。

 

ベランダに出て、

”もうこんな時間で明るくなり始める季節なんだな、、”

と、季節が確実に移っているのを実感。

 

薄青い空と少し湿り気のある、ひんやりした風を顔に浴びながら、眼が醒めていくのが感じられる。
こんな気持ちの良い朝があるんだなと、朝イチから少し嬉しい発見だった。

 

この明け方の日が昇り始める時間帯が、キャンプで好きな一時のひとつだ。

 

山の稜線の向こうに昇り始めた太陽の光が、薄青色の空を、東から西へと、グラデーションを描いている。

まだ空には消え残る星がちらほらと見え、静かな空気の中、一人、しばし景色を眺めてみる。

燃え残りの僅かな煙が漂よう焚き火を掻き混ぜ、そっと息を吹きかけると、かわいい炎が息を吹き返す。

タンクからコッヘルに水を汲み、燃え始めた火にかけて、湯が沸くまで一息。

テーブルに散らかっている、昨夜の宴会の残骸からマグカップを引っ張り出し、薄めのコーヒーを注ぐ。

温かく淹れたソイツをすすり、タバコを一服していると、仲間のテントから、モゾモゾと誰かが起き出す気配。

”物音を立てたせいで、起こしちゃったかな、、?”

などと思って見ていると、ジィーっとジッパーが引き明けられたテントから、ぐちゃぐちゃ頭の寝ぼけ眼で、友人が顔を出す。

まるで巣穴から頭を覗かせた小動物のようで、可笑しい。

 

 

普段なら、少しでも布団の中に入っていたのが、キャンプに行くと早起きになる体質のようだ。

何故なら、また楽しいこと、心地良い時間が待っているから。

 

この朝の一瞬、まだ誰も起きていない、静謐な一人だけの時間がとても貴重で好きだ。

ちなみに、いつもは紅茶の方が好きな自分なのだが、アウトドアに出掛けた時だけは何故か、コーヒーが好みに。

 

そんな贅沢な時間を過ごしに出掛けてみるのはいかが?
 

 

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