大人向けキャンプ・焚き火・アウトドア体験創造集団「週末冒険会」
コラム

キャンプ中、水が足りなくなりそう、、そんな時には

これから夏に向かい、砂浜や海辺でキャンプする機会も多くなる時期。
でも暑いビーチでキャンプするとなれば、水の量も相当必要になってくる。

持参するにしても、飲用+調理用ともなると、相当な量になってしまうのは想像がつくだろう。

近所にすぐコンビニがあったり、公園の水道などがあれば問題はない。
けれど、離島や片田舎の浜辺では、そんな都合良い話はなかなか無い、、、

 

実際のところ、水道が無い場所でキャンプしようという場合には、十分な量を持参していることが殆どだ。
特に、車などで出掛けているのであれば、豊富に飲料水を運ぶことは難しくない。

なので、水が足りなくなって、いきなり命の危機まで追い込まれる状況は、普通のキャンパーならば、ほぼ有りえないだろう。

現実としてありそうなのは、道中の水場で補給をしつつの登山くらいなものか。

 

とはいえ、水が足りなくなって不便だったり、その為に予定を短縮しなくてはならなくなったりする可能性はあり得る。

・暗くなって、気付いた時には水が足りない、、

・買いに行こうと思いつつ、酔っ払ってしまって運転はムリ、、

・ミネラルウォーターを買おうと思ってた店が、田舎の商店なので、夕方早々に閉店していた、、

 

大ピンチまではいかないが、やはりきれいな水が無いと、キャンプ生活に困るのも事実。
そんな時の為、簡単に浜辺で行える真水の確保法をご紹介。

 

1、ソーラースティル

サバイバル本等でも有名なので、御存じの方も多いと思われるのが、この

ソーラースティル

米軍パイロットのサバイバルコースで教えられていた内容が、今ではアウトドアマニュアルにも広く紹介されるようになったものだ。

作りも単純で、条件さえ整えば効率良く水を得られるのが特徴。

 

用意する物:

・2m 四方のビニールシート
・コッヘルなど水の受け皿になるもの

 

製作法:

1)地面に穴を掘り(直径、深さとも1m程度)、その中心に真水を受ける容器を置く。

2) 受け皿周辺に水分を含むもの(植物、泥水、塩水など)を配置する。

3)穴をビニールシートで覆い、縁を土等で隙間なく塞ぐ。

4)ビニールシートが描くV字が90度程度になるよう、中央が凹むように小石等を乗せる。

 

理屈としては極めて単純。

直射日光で蒸発した水分が、シートの裏に付着して滴り落ち、受け皿に溜まるという仕組み。

私も色々な場所で試したが、最も効率良く水を得ることができたのが、海辺の砂浜だ。

満潮時でも波が届かない位の砂浜を深く掘ると、塩水が染み出してくる。
そこは原料となる海水が常に補充される、設置に適した場所。

記憶では、午前中に3つ仕掛けておいて、2Lペットボトルの上部をカットした容器に、平均して半分以上(約1L)溜まっていた。

もちろん塩分は殆ど含んでおらず、僅かに塩っ気のある、美味い蒸留水だった。

 

このソーラースティル、基本的には穴の中を暑く、そして水分の多い場所(あるいは水分を多く含んだもの)で行うことが、効率良く水を採取できるポイント。

爽やかな高原や晩秋の森でも試してみたが、結果は今ひとつだった。

欠点としては、時間がかかることと、晴れている必要があること。
なので、晴れて暑い気候で、1泊以上の滞在キャンプであれば、やる価値はあるだろう。

元来は砂漠のような、日光のエネルギーが高い環境下で行う方法なので、そういう点では、日本でやるなら海辺出のキャンプが好環境と言える。

 

また、そうして得た貴重な真水を節約する方法もある。

海洋冒険家の齋藤実氏はかつて、海水をどのくらい薄めれば、飲用しても体に害がないか、自分自身の体を張った実験を行った。

その結果は、海水1に対して真水2の割合なら、飲用しても体に害は無いというもの(本説については未だ、科学的な結論は出ていないとのこと)

この割合は、病院などで使用されるリンゲル液にかなり近いとのことで、生理学的にも納得のいく話だ。

 

 

元来、サバイバル技術であるソーラースティル。
だが、このテクニックに限らず、サバイバルスキルは実際のキャンプにおいても、役に立つことが多々、ある。

 

道具に頼るばかりでなく、あるもので何とかすること。
これを覚えると、野営の幅は、大きく広がる。

 

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