あの日、暗闇に灯った明かり

2015-03-17

空き缶ランタン

先週末、久しぶりに戻った宮城の実家で、懐かしいものを見つけた。
棚の上に、空き缶で作ったランタンが飾ってあった。記念品だという。

4年前、全てのインフラが破壊され、明かりも暖房も亡くした家の中で、ポツリと灯っていた簡易ランタンである。
震災の翌日に帰った私が、薄暗い家の中を多少でも何とかしようと、作ったものだ。

神棚用の灯明台の上では今ひとつ薄暗かったロウソクだが、ビールの空き缶を切り開き、その中に入れてやると、急に明るさが増した。
空き缶の内側のアルミ面が鏡のように明かりを反射して、数倍の照明効率を生んだ結果だ。

すると、それまで沈んでいた雰囲気の両親に、少し元気が戻ってきた。明かるさが気分を和らげてくれたのだろう。
橙色の炎の光が周りに広がると、人間は本能的に安らぐ。
何だかクリスマスみたいね、などと母はのんきな言葉を口にして、少し笑っていた。

 

こんなちょっとした工夫で、不便な生活が少しだけでも上向くことへの安堵感。
そして、そのことが与えてくれる満足感、喜び。

普段とは違った環境に置かれても、自分たちの知恵と工夫、技術で暮らしを作って行けること。
それは楽しみであり、生きていけるという安心感と自信に繋がる。

災害時に崩壊した瓦礫の山から使えるものを見つけ出し、生活用品を作る。
それは、野外で自然の恵みから道具を産み出すのと、基本は同じである。

 

夜露を凌ぐ屋根がなければ、カーテンやシーツで覆ってやれば良い。
寒くて眠れないならば、焚き火で焼いた石を抱いてやれ。
食べ物を切るナイフがなければ、ガラスや鉄の破片を探せ。

 

こうした発想は、実際に野外で、たくさんの経験を積むことで、自分の中に蓄積されていく。
本やインターネットで色んな例を勉強し、そしてフィールドに出て自分で試してみる。
また、先輩や仲間が行っている方法をいただくのも、実績があるやり方だけに有効だ。

そうしているうちに、目に入ってくる色々な物が、あれこれ使える材料に思えてくる。
後は自由に、自分だけのクリエイティビティを発揮して、楽しみながら野外生活の道具を作るだけだ。

 

アウトドアに身を投じる喜び、その深い中心にあるものは、この生きる力の獲得と成長があることだと思う。
いつでも、どこでも生きていける、やっていけるという自信。

あなたは何を求めて、野外に出るだろうか??

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