焚き火の燃やし方には、古今東西、様々な方法がある。
一例を挙げてみるだけでも、、
・オーソドックスな円錐形に薪を建て並べる方法。
・インデイアン型と呼ばれる、放射状に丸く並べた薪の中心で火を燃やす方法。
・ハンターかまどという呼び名の、薪を平行に並べるやり方。
・キャンプファイアーで用いられる、井桁に薪や丸太を積み上げる方式。
等など。
他にも様々な焚き火の燃やし方があるが、それらの違いは、主に、以下の様な目的の為に用いられるものだ。
1)火力の強さのコントロールのし易さ
2)薪の燃える時間の調節
焚き火の技術の中でも難しいのが、殆ど手を加えずとも、絶えることなく、長く燃え続ける小さな火を保つことだ。
少ない燃料で、必要以上に大きな炎を燃え上がらせることなく、しかし夜明けまで消えずに焚き火を続けられること。
そして、頻繁に薪をくべたり、その組み方をいじらなくても、勝手に燃え続けてくれること。
森の中、たった1人で野営をする場合には、こんな焚き火を出来ることが重要となるのだ。
自分一人では集められる薪の量にも限界が出てくる。
また、場所によってはあまり燃料となる木が多くない場所もある。
しょっちゅう焚き火の具合を調整するために手を煩わせられるようでは、他の作業に手も割けず、また、ゆっくり睡眠をとることもままならない。
そうした理由から、セルフで炎をキープしてくれる焚き火の技術と知識は、特にソロでの野営時に欠かせないものとなる。
そうした長く燃え続けて、しかも消えにくい焚き火の方法は幾つか存在している。
が、その中でも変わり種なのが、今回ご紹介する
”スウェディッシュトーチ”
という方法だ。
このスウェディッシュトーチ、数年前までは殆ど日本では知られていなかった。
しかし、その燃え方の面白さからか、はたまた見た目のフォトジェニック具合が良いからなのか、あっという間に人気になった
現在は”木こりのろうそく”などの呼び名で、通販などでも入手することが出来る。
この名前の通り、北欧が発祥の焚き火技術の一種で、どんな物か簡単に説明すると、、
1,丸太断面に、長さの半分位まで十字に切れ目を入れる。
2,切れ目の中心を抉り、その中に小枝や枯葉を詰め、火を着ける。(固形燃料やタール、あるいは炭火などでもOK)
といったもので、言ってみれば、丸太のロウソクだ。
そして、スウェディッシュトーチには普通の焚き火に較べて、面白くて便利な特徴が幾つも備わっている。
まず、燃料となる薪自体が内側から燃え続けることで、放っておいても長時間、燃え続けてくれること。
また、濡れた地面や雪の上でも問題なく火が熾せ、そして自由に移動できること。
そして、それ自体がゴトクの役割を果たしており、鍋などをその上に乗せることが出来るので、竈を作る必要がないこと等。
ということで、非常に優れた方式の焚き火なのだが、問題は丸太をどうやって切り出すかという点。
チェーンソーでも持っていない限り、そこそこ太い丸太を切るなどほぼ不可能だ。
(過去に一度、手ノコで作ったことがあるが、2時間近くかかった記憶がある)
しかし、裏技として、太い丸太の代わりにある程度の太さの薪を纏めて縛り、その中心に火を燃やすという方法がある。
この方法ならば、キャンプ場で売られている、割られた薪を利用することも可能だ。
これからの時期、雪のフィールドで焚き火をしようという場合には有効なテクニックなので、チャレンジしてみて欲しい。
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