大人向けキャンプ・焚き火・アウトドア体験創造集団「週末冒険会」
コラム

冬キャンプで温かく眠る為に

寒さが厳しくなるにつれて、フィールドへ足が向きにくくなるこの季節。

特に、冷えが苦手な女性の方などは、寒冷期のアウトドアに憧れがあっても、なかなか一歩を踏み出すのに勇気が必要だろう。

また、高価なダウンウェアや冬用の暖かい寝袋、薪ストーブなどの暖房器具を使える大型のテントなどは、快適ではあるけれど何せ高価で、しかも嵩張ったり重かったりと手間を食う。

理想を言えば、懐に優しく、荷物もあまり増やさずに暖かく過ごせる、そんな方法があれば一番良い。

 

という訳で、本格的な冬を迎える前に、この冬のキャンプに向けて、暖かく過ごす為のTipsをご紹介。

特に今回は就寝時の寒さ対策にフォーカスしたいと思う。

尚、過去記事とも被る内容も含まれているが、再確認として纏めてみたい。

 

【寝袋編】

1,寝袋を洗濯して、ロフトを回復
使い込まれて中綿がヘタった寝袋は、保温力がダウンしているもの。

保温のメカニズムのカギとなる、微細な空気の粒(デッドエアー)をより多く捕まえておくには、この中綿がほぐれてふわふわしている状態が重要だ。

なので、結構使っているなという場合には一度、洗濯してみることをお勧めする。

購入時のふかふか度合が戻ってきて、本来の暖かさが蘇る可能性が高い。

尚、寝袋の洗濯方法については各メーカーのHPなどに説明が載っているので、そちらを参照して頂きたいが、基本的にはコインランドリーや風呂の残り湯で、中性洗剤で洗えるものが殆どだ。

 

2,封筒型と組み合わせて使用

単体で保温力の高い寝袋は高価になりがちで、しかも使える期間が短い(=真冬以外は暑過ぎる)ことも多い。つまりコスパが悪いという事だ。

なので、冬用寝袋を使わずに過ごす方法としては、春秋用のマミー型寝袋を封筒型の寝袋の中に入れて、二重にして使うやり方が手軽だ。

保温力の高いマミー型と、内部の空間に余裕がある封筒型の組み合わせは、冬以外の季節には、それぞれを独立して使い回せるだけでなく、コスト的にも真冬用よりリーズナブル。

この方法ならば、例え寝袋を一つしか所有していなかったとしても、真冬用を新調するよりも安価で済む。

弱点としては荷物が増える事と、寝袋への出入りが少し面倒なことだろうか。

 

3,インナーシュラフを利用

これは上記2、にも似た方法になるが、寝袋の内側の汚れ防止と保温力UPの目的で、インナーシュラフというものが販売されている。

名前の通り、寝袋の中に入れて使うシーツのようなものとイメージして頂ければ解り易い。

これを使えば、寝袋をダブルで使うほどではないけれど、暖かさを増すことが出来る。

インナーシュラフ自体の重さや大きさは、物にもよるが500mlのペットボトル程度のものが多いので、メインの寝袋の暖かさがちょっと足りない、、という場合や荷物をコンパクトに収めたい方に特にお薦めだ。

 

4,ダウンの寝袋では厚着しない、事前に膨らませる。

暖かい寝袋と言えばダウンというイメージを持つ方も多いと思うが、実は使い方にコツがあるのである(よく読めば説明書などに書いてあるが)

それは、厚着して寝袋に入らないことと、事前に収納袋から出して、ふかふかに戻しておくことだ。

実は羽毛布団なども同じなのだが、ダウンという素材は体温によって暖められることで、最大の保温力を発揮するのだそうだ。

なので、寒いからと言って厚着したまま寝袋に入ると、温度が寝袋側まで伝わらず、結果としてあまり暖かくないという事に繋がりかねない。

 

また、1,で書いたように保温力のメカニズムというのは、中綿がどれだけ空気を沢山含んでおけるかどうかなのだが、ダウンの寝袋は大抵の場合、収納袋にぎゅうぎゅうに詰められていることが多い、

それを袋から取り出しても、圧縮された状態からすぐには本来の嵩まで膨らまず、結果として、寝始めには空気をあまり含めずに保温性に劣ってしまう。

なので、ダウンの寝袋は寝る直前に取り出すのではなく、予め拡げておいて、ふわふわの状態を取り戻してから使うのがコツだ。


限られた装備と自分の技術で、自由に野営を行う。
その為の知恵とスキルと思考力を養うには、、
⇩ 
⇩ 
Wilderness Camp Lab »

【その他のギア編】

1,  登山用靴下を履く

一日活動して、汗や蒸れでジメジメした足の冷えは、眠りを妨げる大敵だ。

こいつを何とかする方法は幾つかあるのだが、手っ取り早いのは登山用の厚いウールの靴下に履き替える事。とても暖かいので(少し高価だが)冬キャンプ好きや末端冷え性の方は是非購入してほしい。

尚、靴下に履き替える前に、出来れば足を焚き火で暖めて、ベビーパウダーを振りかけてマッサージしてやると、さらに効果が高まる。

 

2,  湯たんぽを使う

冬の就寝アイテムとしておなじみの湯タンポはキャンプでも有効。

フィールドでこの代用品として使えるものとして考えられるのが、ホット専用のペットボトル(キャップがオレンジ色のタイプ)や、日本酒・ワインなどの瓶。

湯を入れてしっかり蓋を閉め、タオルなどで包んで寝袋の足元に入れると、とても暖かい。

 

3,  マスク、ネックウォーマー、目出し帽

特に寒さが厳しい環境だと、顔面の冷たさが気になって眠れなくなってくる。
どれだけ寝袋のフードの紐を絞っても、突き出した鼻や口の周りがヒンヤリとするのだ。
その対策として、マスクやネックウォーマーを着けて眠ることが挙げられる。

理想的には、目出し帽(バラクラバとも呼ばれる)が最も暖かいが、わざわざ買うのはちょっと、、という方には、女性用の厚手のストッキングに目と口の部分の穴を空けて被るという手もある(そのままトイレなどに行くと不審者扱いされるので注意!)

 

4,  プチプチ、段ボールなどでマットレスの断熱性をアップ

寒さ対策というと寝袋ばかりに頭が行きがちだが、マットの背中の冷えは相当な影響を及ぼす要因だ。

雪山用の断熱値が高いマットがあれば問題無いのだが、多くの一般キャンパーの手持ちのマットでは、凍るような地面からの冷えをシャットアウトするには不十分な筈だ。

かといって高価なマットに買い替えるのもあまり現実的ではない場合、有効なのが、何処でも手に入る段ボールの上にマットを敷く方法や、梱包に使うエアパッキン(プチプチ)も非常に効果が高い。

両方とも、空気の層を持っており(空気の断熱性はかなりハイレベル)体温が地面に逃げるのを防いでくれる。

今回は装備面を中心にした方法をお送りしたが、これ以外にも暖を確保して眠る方法はいくつも考えられる。
重要なのは、それらを数多く学んでおいて、実際の現場で確実に再現できることだ。

寒い時期のキャンプにも数多くの利点や楽しみがある。
冬装備が無い、車が無いので装備が運べない、、というのではなく、こうした知恵を使って、フィールドに出られるようになれば、世界が拡がって楽しみも増えるだろう。

この冬、どこかで貴方と焚火を囲めることを楽しみにしている。

■併せて読みたい関連記事■
ソロキャンプでの寒さ対策


限られた装備と自分の技術で、自由に野営を行う。
その為の知恵とスキルと思考力を養うには、、
⇩ 
⇩ 
Wilderness Camp Lab »

関連記事