あなたは焚き火やBBQで火を熾す時、まず最初はどんな風にして火を点けるだろうか?
ホームセンターやアウトドアショップで売られている着火剤を使う、、というのも、もちろんアリではある。
しかし、そうしたものが無くても、身の回りや自然にある材料からでも、火を点けることは難しくはない。
今日はそうした状況で使える、火熾しのテクニックについてのお話をお届け。。
焚き火を始めようとした時、まず、何からあなたは始めるか?
薪を拾う、割る、枯葉や小枝を集める、、手順は何段階もある。
しかし、重要なポイントは2つ。
1、焚付を大量に集める。
2,着火剤をしっかり用意する。
焚付というのは、焚き火の始めに燃やす小枝などのこと。
そして、着火剤とは文字通り、最初にマッチやライターで火を点ける燃焼剤のことだ。
初心者が火熾しに失敗する大半の原因は、この2点が不十分なこと。
太い薪に火が移る為には、まずこれらの小さな火種がしっかりと燃えて、火床が出来上がっていることがとても大事だ。
集めてきた枯葉や小枝がなかなか燃え上がらず、ブスブスと弱く燃えているうちに、使いきっちゃった、、なんて経験はないだろうか?
これは、着火剤の炎が弱く、また焚付の量が少ないことが原因である。
では、どうするか、その手順を順番に解説してみる。
1,着火剤の準備
私の経験上、最も簡単に手に入り、着火剤として便利なのが、ド定番の新聞紙。
こいつはとても火が点きやすいのは良いのだが、あまりに燃えるスピードが早い。
慣れないと、焚付けの小枝に火が移る前に、新聞紙が燃え尽きてしまう。
ならばどうするかといえば、新聞紙をゆるく棒状にひねり、とぐろを巻くように丸めてやる。
そしてその端がちょっと飛び出るように、上にアタマを出してあげる事。
イメージとしては、蛇がとぐろを巻いて、アタマをもたげているようなカタチだ。
この頭の部分に火を点けてやると、じっくり、しかし焚付に火が燃え移るに十分な火力で、一定時間燃焼してくれる。
ポイントはあまりきつく新聞紙をひねらないこと。
適度なゆるさを持たせることで、紙の間に空気を含んで、良い具合に炎が立ち登るようになる。
2,焚付の投入
着火剤に火が点いたら、その上に焚付を重ねていくのだが、慣れないとこのタイミングと量が判らず、火を消してしまいがち。
燃えている着火剤の上に、素早く、タイミングよく小枝を置いていくのは技術と経験が必要だ。
焚き火が初めてや、まだ数回という方にオススメなのは、初めから焚付で櫓を組んであげる事。
1,で作った新聞紙のとぐろの上に、小枝を円錐形に積んで置いていく。
この時、重要なのが重ね過ぎないことだ。
焚き火は燃料と空気のバランスが大切。
あまりにも焚付が多すぎて、しかも空気の入り込む余地が無いほど積み重ねると、炎が上る前に燃え落ちて、火が消えてしまう原因になる。
コツは、小枝を四方から組み合わせて、上に上にと縦方向へ積むこと。
そして、それらがなるべく自立するよう、長めのものを使うこと。
短い小枝ばかりを着火剤の上に積んでいると、それらが燃え尽きた後、上に乗っている小枝が崩れ落ちてきて、火種を潰してしまう。
また、炎は火の先端辺りが最も温度が高く、従ってそこに当たっている燃料が一番燃えやすい。
火種の横方向ではなく、上に焚付を積んでいくのは、そういう意味があるのだ。
焚付がしっかりと燃えて、火床に炭火が溜まりだしたら、もう火熾しは殆ど成功したようなもの。
この上に、少し太めの薪、もう少しの薪と、少しづつ積んでいけば、そう簡単に消えることのない焚き火が出来上がる。
最後はちょっと上級編。
もし、山の中で新聞紙も無く、着火剤に困ったら?
そんな時には、木の皮が使える。
といっても、皮を剥いでそのまま火を点けるのではない。
日本の山に多い杉や檜、これらの皮を剥ぐと、その内側から、繊維上のものが取れる。
裂きイカみたいな状態で、指で摘むとスルっと剥げてくるのだ。
コレをたくさん集め、バンダナやタオルで包んで、もみくちゃに揉んでやる。
暫くこれを続けていると、硬い部分がほぐれ落ち、純粋な繊維状の塊が採取できる。
通称、ファイアーコットンなどと呼ばれる、良質の着火剤である。
見た目が綿のボールのようなことが、この名前の由来だ。
これはマッチどころか、火花だけでも火が点くほど、点火力の強い着火剤。
もし、雨や地面が湿っていて、落ち葉などが濡れていて着火剤として使えなくとも、木の皮の内側は濡れていないので大丈夫。
自然から得られるもので火熾しが出来る、サバイバルテクニックの一つだ。
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