大人向けキャンプ・焚き火・アウトドア体験創造集団「週末冒険会」
コラム

地味に重要?!テント用ペグ

テントやタープを建てる際に必ず必要なアイテムの一つが、”ペグ”

御覧の通りシンプルなアイテムで、単なる杭と言ってしまえばそれまでなのだけれど、実は結構、重要な一品でもあったりする。

ペグはテントやタープを購入すればほぼ必ず付属しているもの。
だが、安価な製品の付属品は、軟弱な素材で作られたものが多く、すぐに曲がったり折れたりする。

そんなペグでも、柔らかい土の地面キャンプ場ならば、特に問題は起きない。

しかし、地中に石がゴロゴロ埋まっているような河原や、海辺の柔らかい砂地などでは、ペグが上手く刺さらなかったり、逆にすぐに抜けてしまう、、などの困った状況に出くわすこともしょっちゅうだ。

そんな時、付属のペグではなく、別売りのしっかりとしたものを使用するとがっちり、安定して設営することができ、夜中に急な突風や強い雨に降られても、安心して眠っていることができる。

 

ペグには大まかに分類して、以下の様なものが存在する。

1,スチールペグ
鉄製の丸棒や、鉄の板を加工して作られているもの。
頑丈なので少々の硬い地面や、地中に埋まっている石にぶち当たっても曲がりにくいのが特徴。

また、ソリッドタイプという分類のものは鍛造で作られており、大型で大変丈夫、しっかりと固定することができる。

欠点としては重量があるので、荷物の軽量化が必要な登山などには不向き。
車で行くオートキャンプや、大きなタープを設営する場合には最適だ。

2,プラスチックペグ
軽量で溝の掘られた形状をしており、摩擦抵抗が大きいので抜けにくいのが一番のメリット。
しかし素材が柔らかいので曲がったり、折れやすく、硬い地面に使用するには不向き。

また、溝の間に入り込んだ土が取れづらいので、片付けの際には洗ったりすることが必要な場合も。

3,アルミピンペグ
グランドシートの中間部分や枝綱など、比較的力の加わりが弱い箇所に用いられるもの。
軽量なのでバックパッカーや少人数テントに付属することも多いが、強度はスチール製に劣るため、無理に硬い地面へ打ち込むと曲がる可能性が大きい。

4,チタンペグ
軽くて比較的強度の高いペグ。錆びないという利点もある。
価格は高いが、性能的には一番だと個人的には思っている。軽量化を優先する目的で使われることが多い。

 

次にペグの使用方法。

1,ガイラインをかけたまま打ち込まない。

テント設営の際に、張り綱(ガイライン)をペグにかけたまま、ハンマーなどで打ち込んでいる場合があるが、これはNG。

この状態でペグを打つと、場合によっては張り綱を叩いて切断してしまったり、そこまで行かなくとも、ダメージを与えてしまう可能性があるからだ。

正しいペグの打ち込み方法は、以下のような要領となる。

1)張り綱のスライダーを動かし、ループが前後に調節できる余裕を持たせた位置に調整する。
2)張り綱をピンと張って、ペグの打ち込み位置を確定させ、地面に打ち込む。

その際のペグの打ち込み角度は、

1)地面に対して45~60度
2)張り綱とペグの角度は90度

こうすることで、ペグと張り綱、そして地面への抵抗力が最大となる。

打ち込む場所によっては地面が柔らかく、1本での固定には不安がある場合もよく見られる(砂地など)
そんな場合には、1本の張り綱に対して複数のペグを使用して固定する方法も有効な手段だ。

その為、規定本数に加えて2~3本、やや大きめのものを予備で持っておくことをお薦めする。

 

そして、ペグを無くさない為のコツをご紹介。

撤収の際に、ペグを打ち込んだまま張り綱を外してしまうと、その後でペグが何処に埋まっているかわからなくなったりしがちだ。
草叢の中や、泥でペグの頭が隠れやすい地面の場合には、特に注意が必要。

テントを畳む際には、ペグから綱を外すのと一緒に、ピンも抜き取ってしまうクセを付けよう。
ペグの頭に蛍光色を塗って、目立つようにしておくのもGOODなアイデア。

加えて、ピン収納袋を必ず持つようにして、抜いたら収納する。
引き抜いたペグをその辺の地面に放り投げているシーンをよく目にするが、これも紛失の原因の大きな原因となる。

また、複数人で一つのテントを片付ける際は、ペグ抜き担当を一人に決めてしまう。

皆でペグ抜き作業をすると、各自がバラバラにその辺に放置しがちになるからだ。
その結果、何処に何本、抜いたペグがあるかが解らなくなってしまう。。。

加えて、他の人がどこのペグを抜いたかはっきりしなくなり、抜き残しの発生原因ともなる。
必ず一人が責任を持って、全部のペグが回収できたか、本数を確認するようにしよう。

 

最後に、どうしてもペグが足りない、、そんな時は木の枝を削って加工すればOK。

両手で曲げても折れない、しっかりした親指程度の太さの木を15~20㎝の長さに切断し、先端を鉛筆削りの要領で尖らせるだけ。
より手の込んだ加工を行うならば、ペグの頭のちょっと下に、ロープを引っかける溝(ノッチ)を作ってやると、滑らず安定して固定できる。

 

野営の道具には、目立たず地味だけれど、意外と重要なアイテムが存在する。
ちょっとした違いが快適性に大きく影響したり、設営・撤収のスピードを左右したりするので、研究してみる価値は大きい。

 

 

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