雪が溶け、草木の芽吹くこの時期は、キャンプにも良い季節。
真夏ほど暑くなく、焚き火の程よい暖かさも楽しめ、また蚊や虫もあまり出てこない。
そして、野山から得られる美味しい食材も手に入れやすくなる時期だ。
わらびやゼンマイ、こごみ、ヨモギやノビル、ふきのとう、タラの芽、、、
少しの知識さえあれば、初心者でも割と簡単に、里山やキャンプ場近くでも摘むことができる。
食べ方も、生で行けるものから、茹でたり油で炒めたり、天ぷらにしたりと、それ程手間も必要ないのも嬉しいところだ。
春の山菜は他の時期に比べて苦味が強いと言われますが、それもまた味わいの一つ。
味わい深いほろ苦さがお酒のおつまみとして、大人の食卓を盛り立ててくれる。
ソロキャンプなどでこうした調理をする場合に一番ラクなのが、油であげること。
アク抜きが必要な野草の多くも揚げることで、大抵は消えてなくなる。
シェラカップに食材が浸るほどの油を入れて、バーナーで加熱。
揚げ粉をまぶした山菜を一つずつ投入しながら、焦げないようにサッと仕上げる。
パラパラと塩をふりかけてやれば、ビールのおつまみとして最高の一品の出来上がり。
もちろん、お蕎麦やうどんに乗せてあげても良いし、白い飯でもGOOD。
ジップロックに天ぷら粉などを入れて持参していけば、その中に山菜を入れることで、手も汚れす、手早く粉付けもできる。
そして、私がオススメする春の味覚のNO.1は、筍。
中でも最もメジャーで、食用としても売られているのが孟宗竹。
地中から顔を出しかけた筍を掘り返し、皮のついたまま、焚き火にど~ん!
皮がコゲコゲになるくらいまで焼いたら、火から取り出して剝いてやる。
すると、中からちょうど良い具合に焼きあがった、美しい黄肌の筍が姿を表す。
これが無茶苦茶美味いっ!
ナイフで一口サイズに切り取り、醤油を一たらしして、口に放り込んで見て欲しい。
普段、食べている水煮の筍とはぜんぜん違う、正に山の幸といった味を楽しめるだろう。
とても成長が早く、春先には1日で数十センチ伸びることもある筍。
その分、最も美味しい瞬間というのは、極限られたタイミングしかない。
昔、知り合いから聴いた話では、竹やぶを歩きながら、足の裏で踏んづけて確認できる、土中からアタマを飛び出させようとしているものが最高とのこと。
こいつはその穂先をスライスして、生でお刺身にして食べても、アクがなくとても美味い。
シロウトではなかなかその見極めも難しいが、もし自分でそんなのを採取できたら、これは楽しい。
この他にも、真竹や破竹と言われる、孟宗竹よりも細身な竹の筍も、食用としてOK。
これらは地上から30cm位の高さまで育っている部分を折りとってやれば食べられる。
採りたてはアクもなく、煮てよし、焼いてよしのお手軽で美味しい食材だ。
自然環境保護の観点や、土地所有者の権利もあるので、どこでもやたら掘り返して採るわけには行かないが、竹林は日本の野山に多いのも事実。
キャンプ場の隅にある竹林を見つけたら、怒られない程度にちょっとだけ採って楽しんでみるのも、この時期だけのキャンプの楽しみだろう。
また、4~5月は地元の農協やスーパーなどでも、皮付きの筍が売られていたりもする。
その時期、その場所で採れた食材を味わう。
素朴だけれど、とても贅沢な楽しみ方だと思わないか?
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