大人向けキャンプ・焚き火・アウトドア体験創造集団「週末冒険会」
コラム

初めてのソロキャンプ用バックパック選び

ソロキャンプしてみたい!
森の奥で一人静かに焚き火を見つめ、その暖かさとうまい料理に癒される時間を持ちたい。

でも車が無い、また連れて行ってくれる車持ちの友達もいない。。
それに、できれば混雑するメジャーなキャンプ場よりも、アクセスは多少悪くても、人が少なくて自然を楽しめる、自分だけの秘密基地のようなキャンプ場で過ごしたい。

そしていつかは、キャンプ場ではない秘境、本当の自然の中でもキャンプしてみたい。

そんな夢をお持ちの、特に都会暮らしで車を持たない読者の方も多いのではないかと思う。

 

初めてのソロキャンプ。
不安だから道具はあれこれ持っていきたい!でも重くて運ぶのが大変なのは嫌だ、、

こうした理想と現実が導き出す答えの一つは、バックパック(リュックサック)を背負ってのキャンプ行だ。

また何よりもパック一つで行動できる自由さ、これは貴方の世界観と可能性を拡げる大きな要素でもある。

 

そもそも、本来のキャンプ(野営)とは、徒歩による行動に伴うものでもある。

車で出かけるオートキャンプが主流の現代でも、登山でのテント泊や渓流釣り、狩猟、ロングトレイルなど、アクティビティーに伴う徒歩でのキャンプ旅はアウトドアの楽しみ方の一つの分野として立派に成立しているのだ。

こうしたスタイルを選ぼうとした時、装備を運搬するための方法は最大の課題の一つだ。

そしてその理想、夢は ”出来るだけ多くの荷物を、出来るだけ軽く楽に運びたい” この一言に尽きる。

となるとその現実的な最適解はバックパックということになる。

しかし、その選び方を間違えれば移動に伴う苦痛と疲労は倍増し、楽しむ為のキャンプがただの苦行になりかねない。

ということで今回のコラムでは、特にこれから購入を考えたいというソロキャンプ志向の方を対象に、バックパックの選び方について私なりの見解も交えてお伝えしようと思う。

写真はミステリーランチのピントラー(容量39L)

1,大きさ、容量

バックパック選びの際にまず迷うのが、大きさ(荷物を詰められる容量)だろう。これはそもそも、自分が必要とする装備がどのくらいかさばるのか?が分からなければ、その判断もつけようがない。

しかしここで明言しておくことが一つある。それは

”ザックの容量は45~50L程度までにしておく”

という点だ。

人は、入れば入るだけモノを詰め込む癖がある。これがあれば便利かも、、あれもあった方が良いよね、、という心理である。

キャンプに限らず、ホームな場所から離れてアウェイな土地へ赴く際に人が感じる不安、これが荷物の増大を招く最大の原因となる。

その結果、全ての装備をパッキングし終わり、さあこれで準備万端!と思ってリュックを持ち上げた瞬間、希望が絶望へと変わる。

この荷物の重さじゃ、キャンプ場どころか、最寄り駅まで行くのも無理、、となるからだ。

普段から登山で鍛えている、あるいは自衛官や警察の機動隊員などの方は例外として、一般の成人が背負ってそこそこの距離を歩ける荷物の重量は、概ね15㎏が限度と考えるのが安全だ。

 

こうなるのを避けるには、ザックの大きさを決めて、そこに入るものしか持っていかないという風に制限してしまうこと。

特に初めてザックを購入しようとする際には、大きい方が何かと便利だろうと考えてしまいがちだが、それを強制的に排除してしまおう。

装備が少ないことへの不安、これはやってみると意外と大した問題ではなかったな、、ということも多い。

あれば確かに便利だったろうけれど、なくても何とかなったなという話だ。

 

本当に重要なモノは一つも忘れてはならないけれど、使うかどうか迷うものは置いていけ、とうのは昔から登山の世界に伝わる格言だ。

そして最後は、無いものは現地で何とか工夫して、応用・兼用・創り出すという知恵とスキルを持つこと。

ハード(道具)ではなくソフト(知恵や技術)を用いて1~2泊程度を過ごすのに十分な道具を生み出せるノウハウを自分の中に持てれば、より荷物は軽くなっていく。

 

2,快適さ

荷物が増えれば重くなる。これは変えようのない現実だ。

しかし、重さが増す=しんどさも増すというのは必ずしも当てはまらない。

なぜそうなるかと言えば、バックパックの作りや背負い方、荷物の詰め方によって、この不快感、疲労度は軽減できるものであるからだ。

そこで重要になってくるのがまず、腰ベルトと肩ストラップのパッドの構造と厚みである。

リュックと言えば肩のストラップに荷物の重さがかかるもの、と考えている人も多いのだが、実はそうではなく、腰のベルトで重さを支えるのが正しい背負い方になる。

となると、この腰ベルトの作りが重要になってくるのだが、その一番の要素は厚くしっかりしたパッドが備わっているかということだ。

これが薄い、小さい、また素材や形状が自分の体に合わないと、重さを支えきれずにずり下がったり、腰ベルトを締め付けた際に痛かったりして不快感と疲労を助長する原因となる。

同様に肩ストラップもある程度は荷重が加わるので、あまり薄いものは肩に食い込んで痛みを感じる元になる。

なので、これらのクッション性はまず確かめたいポイントだ。

次に、背負い心地を確かめること。全体的にどこか体に当たって痛みや不快感が無いかを確認する。

この時大事なのが、ザックに実際の荷物と同様の重さがかかっていないとチェックにならないということだ。

登山用品店などの専門店ならば、疑似ウェイトが準備されていたりするので、できればそうした店で選ぶことを強くお勧めする。

そしてチェックする点だが、先ほどの腰や肩のストラップの体への食い込み具合を確認するとともに、そもそものストラップの取付位置や長さなども確認しよう。

実はバックパックも服や靴と同様に、背負う人の体格に合わせたサイズというものが存在するのだ。

その適正な寸法は背面長と呼ばれ、腰ベルトから肩ストラップの付け根までの長さがこの背面長と合致しているかどうかが大切になる。

きちんとしたブランドの製品ならばこの背面長に合わせ、メンズ・レディースモデルやS,M,Lのサイズ展開を行っているし、長さが調節できるフリーアジャストタイプの製品も存在する。

参考:グレゴリー社バックパック フィッティングガイド

この長さが適正ならば、重さを肩と腰で上手く分散して支えられるのだが、逆に合っていないと腰、肩どちらかに余計に荷重がかかり、不快感や痛みが増してしまうことになるので、何となく良さそうかな。。ではなく、少し慎重に時間をかけて確認してもらいたい。

また、荷物を入れた状態で静止している時には何ともなかったのが、歩いてみるとずれや当たりが発生したりすることもあるので、店の中を少し歩かせてもらって具合をみることも忘れないようにしたい。

 

3,外付け機能

ウレタンマットレスやテント、また時には寝袋などかさばる荷物は、バックパックの中には入れず外付けすることが多い(そうしないと他の細々とした道具が入らなくなる)

なので、外付けするためのストラップがパックのどこにあるか?もチェックポイントの一つだ。

キャンプ装備の外付けで多いパターンには、以下のようなものがある。

1)パックの両サイド
2)ボトム(底)
3)トップ
4)表面

多くのバックパックにはこのような取り付け方に対応したストラップが大抵、備わっている。

だが、登山用のモデル(特にヨーロッパ系)になると、クライミング中にストラップをどこかに引っ掛けて転倒・滑落することを恐れて、ストラップの少ないシンプルなデザインのモノもある。

これは視点を変えると、都会の混雑した駅や電車で他人を引っ掛けてトラブルになることを防げるとも言えるので、考慮してもよいポイントだ。

因みに同じ理由で私の場合は、森の中の移動時に枝や蔓に引っかかるストレスを軽減したいので、マットなどの外付け時はなるべく自分の肩幅よりも横に飛び出さないような取り付け方を好んでいる。

ゼログラム社のLostCreek LT45(重量820g 本体のみ)出典:ZEROGRAM)

4,バックパック自体の重さ

当たり前の話ではあるが、パック自体が大きくなればその重さも増える。

なのであまりパック自体が重い製品を選ぶと、荷物を詰めた際に総重量が増える結果となるので、この点もチェックポイントになる。

平均的な45~50Lのバックパックの重さは1~1.5㎏程度なので、一般人が実際に持ち運べる荷物の重さが15㎏として、残りはパック重量を差し引いた13~14㎏が限度だろう。

そして、13~14㎏というこの値。これは無駄なキャンプギア(+食料、水など)を持っていける数字ではないことを明言しておく。

尚、ウルトラライトと言われる、超軽量装備を伴っての山歩きに使用されるバックパックは、重さが500g程度のものも存在する。

このパックはバックパックの骨格に当たるフレームが無く、ポケットなども必要最低限のシンプルな作りが特徴だが、そもそもが装備・食料、水などの総重量が10㎏程度と、かなり軽量なモノしか運ばない想定だ。

その為、パックにしっかりしたフレームが組み込まれていなくても、そこまで背負った際の重さや不快感は感じない。

けれど、これを一般のソロキャンパーが使おうとした場合、装備の重さや背負い心地の悪さに泣かされる可能性があるので、初めて購入するとしたらお勧めはしない。

ピントラーの内部メッシュポケット。小物をポーチに小分けして持参する必要がなく便利。

5,ポケットの位置、種類

これは好みや各自の使い方にもよってくるので、一概にこのタイプが良い!とは言い切れないのだが、基本的にはあまりごちゃごちゃとしているよりは、シンプルな構造が良い気がする。

基本はトップの上蓋が1~2室の小物ポケットになっており、あとは両サイドの下にポールなどを突っ込める袋状のポケットが備わっているものが多いが、基本的にこれで十分だと思う。

 

以上が基本的な選び方のポイントになるが、これらを踏まえた上で、あとは予算と見た目の好みでチョイスしてもらえたらと思う。

バックパック選びには、服や靴と同じで個人差がある。なので、ネット通販で購入するのではなく、可能な限り実物を手にして確かめること。

できればパックのフロアに専門の担当者がいる店ならば、彼らが上記のような点を考慮してチョイスしてくれる筈だ。

 

尚、今回の解説はあくまでソロキャンプ初心者を前提とした前提となる。

ビギナーであればまずはせいぜい2泊3日、そして水や食料は途中で一度くらい補充できるか、あるいは簡単な調理で済む軽量な食材を持参していくだろうという想定だ。

これが中上級者で、より長い期間をソロで過ごす、雪の降るような寒い時期に出掛けるなど、バリエーションのあるキャンプを行うのであれば、基本は同じではあるものの、少々選択肢が変わってくることにはご留意願いたい。

そしてより重さを感じにくく、快適に背負う為には正しい背負い方の方法やパッキングの為のノウハウがあるが、またそれは別の回にご紹介したい。

キャンプ装備は車で運ぶもの、だからキャンプに行くのは諦めていたし、そもそもリュックでのキャンプなど考えたこともなかったという方が、今後のアウトドアライフの拡がりを持てる一助になれば嬉しい。

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