大人向けキャンプ・焚き火・アウトドア体験創造集団「週末冒険会」
コラム

キャンプ装備はまずヘッドライトから

キャンプの道具は何からまずそろえれば良いですか?という質問を頂く事がよくある。

多くの場合、必要な道具にイメージされやすいのはテントや寝袋あたりで、あるいはガスバーナーや人によってはナイフ、、などと思い浮かべる方もいるだろう。

けれど、私の答えは

まず”ヘッドランプ”を買ってください。

と答えている。

以外に思う方もいるかもしれないが、その理由は単純だ。

視覚が使えないというのは甚だ不便というレベルではなく、野外においては殆ど行動不能、場合にっては危険さえあり得るからだ。

では購入するのに、どんな製品を選べば良いの?という話になるわけで、今回のコラムではその選び方の基準とその理由について書いてみた。

尚、タイトルにあるようにこの基準は主な使用環境を一般的なキャンプ+α程度と想定したものになる。
これが登山などになると、この基準はそのまま使えない部分も出てくるのでご注意を。

 

【主な選択基準】

ヘッドランプの選択基準にはいくつかの項目があり、以下が主な選択基準となる。

①明るさ(ルーメン)と照射範囲
②バッテリーの方式
③連続点灯時間(実用照度で)
④大きさ、重さ
⑤装着感
⑥防水性

①明るさと照射範囲

ヘッドランプの明るさはその使用目的により、かなり多様なモデルが存在する。
その中で一般的なキャンプならば、お勧めするのは150~300ルーメン程度のモデルだ。

トイレや水場などへの移動や、調理、洗い物などの作業ならば150ルーメンあれば十分だろう。
また、ちょっとしたナイトハイクや、緊急時の夜間撤収などを考えても300ルーメンの明るさがあれば概ね役には立つ。

アウトドア用のランプの中には、これ以上のハイパワーモデルも多数、販売されている。
しかし、それらは登山での非常時に夜間移動する、捜索救助を行うなどの際などに用いるためのものだ。

普通のキャンプでは超高照度モデルはむしろ使いにくい。手元作業では“明るすぎる光”は影を強くして視認性を落とす結果となる。
そして、当然ながらハイパワーだと電池の持ちも短くなる傾向にあることにも留意する必要がある。

次の照射範囲とは、極端に言えば近くの広範囲、または遠くのピンポイントのどっちを照らす方式か?ということだ。
これは遠近が調整可能なモデルが多いので、そこまで悩む必要はないかもしれない。

だが、普通のキャンプであれば、どちらかと言えば近距離広範囲を重視したほうが使いやすいと思っている。

②バッテリー方式

現在、ヘッドランプの電源として採用されている主な方式には、下記の3つがある。
1,充電式(USB、充電式電池など)
2,乾電池式
3,ハイブリッド式(1,と2,両方が使えるタイプ)

この中で一般の方のキャンプにお勧めするならば、2,の乾電池式が現実的だろう。
その理由は、以下のようなものだ。

・どこでも入手しやすい(殆どのモデルが単3または単4を使用)
・充電式は電池切れの際にすぐに充電できず、使えない

そしてこのバッテリー方式は、ユーザーのキャンプスタイルにも影響される。

頻繁にキャンプに出掛けるならばコストを考えると充電式が良いだろう。
またバッテリーの性能が落ちる寒冷地や、何日もランプを使い続ける連泊のキャンプでは、温めたりすぐに交換できる乾電池方式の方が使い勝手が良くなるからだ。

無論、3,のハイブリッド方式であればこれらの問題も解消されるのだが、高額なモデルが多いので、これは懐に余裕があれば、、というチョイスになるだろう。

③連続点灯時間

点灯時間については、一般的にヘッドランプが必要とされる夕方18時~23時くらいの時間で、現実的にどの程度の時間、点けっぱなしにするか?という、あくまで私個人の経験から判断したものだ。
その結果としては、6~8時間程度の点灯時間があれば、概ね十分だと考えている。

実際の現場では、夕方暗くなってから寝るまでずっと、ヘッドランプを点灯し続けるという状況はあまりない。
それよりもむしろ、必要時だけ点けて、あとはオフにしておく時間の方が長いものだからだ。

この位の長さであれば1~2泊程度のキャンプや、陽が短く比較的長い間ライトを必要とする秋冬の季節でも何とかなるだろう。

尚、注意が必要なのは、製品の説明にある連続点灯時間とは、最大の明るさを維持したままでの点灯時間ではないということだ。

バッテリーが消耗してきて、最大出力の10%まで落ちるまでの時間を示しているので、実際の使用感としては、後半はかなり暗くなるということに気を付けて欲しい。

 

④大きさと重さ、⑤装着感

これらは両方とも密接する関係の項目になる。

ヘッドランプは場合によっては結構な長時間(時には就寝中も)装着しっぱなしということもしばしばだ。

その際、あまりヘッドバンドが細かったりすると頭が締め付けられて不快だったり、重量が結構あったり、バランスが悪い製品では、首や肩が疲れるかもしれない。

なので個人的にはバンドの幅が広く、かつできるだけ軽量なものがお勧めではある。

こればかりは個人差があるので、現物を試してみないと判断できない。
なのでできればネット通販などではなく、店頭で試着してみて決めるのが理想ではある。

 

⑥防水性

これも重要なポイントで、多くのモデルはある程度の防水性を有しているものだが、この防水性能にもレベルがある。
その基準がIPXという国際規格で、スマホや腕時計にも用いられているので、聞いたことがある方も多いかと思う。

この規格をヘッドランプに当てはめるならば、最低レベルでもIPX5~6は欲しい。
というのも、このIPX5~6というのは、”あらゆる方向からの水の噴流に耐える”という性能を表している。

なので、逆に言えば、通常の雨程度ならば問題ないが、水没などさせるとアウトかもしれないということだ。

欲を言えば本当はIPX6だと川や池等へ落とした場合にやや心もとないので、出来ればIPX7(水深1mで30分はOK)の性能があると安心だ。

【寒色系の照明は寒々しい雰囲気を作り出してしまう】

【その他の選択基準】

上記の項目に加えて、以下の点もチェックできればベストだ。

・ボタン操作性
・誤点灯防止ロック機構の有無
・光の色

操作性については、手袋をはめたままでスイッチ類の切り替えがしやすいかを確認したい。
使いにくさはストレスを生むだけでなく、作業性を悪くし、スムーズで快適なキャンプ生活の妨げとなる。

誤点灯防止ロックも、できればあると便利な機能だ。
ザックの中で何らかの拍子にヘッドランプのスイッチが入ってしまい、現場でバッテリー切れになるのは避けたい。

光の色については好みにもなるが、基本的に私は赤色系を選ぶようにしている。
主流のLEDランプだと寒色系が多いのだが、これだと食事のテーブルが青くまずそうに見えたり、焚き火の暖かい雰囲気がぶち壊しになるからだ(この話はランタンについても同様のことが言える)

 

ということで、キャンプ用として購入する場合の基準をまとめると、以下のようになる。

【必須チェック項目】

・150〜300ルーメンの光量
・ワイド配光(拡散光)または切り替え方式
・乾電池方式(ハイブリッドも可)
・最低6〜8時間の実用点灯
・装着感が良く、重さで疲れない
・防水性能IPX5~6以上

これらを基準にして、あとは好みの色や価格帯でチョイスしてもらえば、一般的なキャンプや少し冒険チックな野営までは、安心して使えるだろう。

その上で、念には念を入れるならば、予備ライトを常備(二灯体制)するようにしよう。
最初に書いたように、モノが見えないということは、著しく行動に制限をかけてしまう。
なのでヘッドランプは必須であり、信頼性が命となる。

いざというときに点かない、壊れた、電池切れとならないよう、間違いのないメーカーの製品と予備電池を備えて欲しい。

人間の情報の80%は目から得るものなのだから。

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