焚き火台と直火禁止の関係

 

つい先週末にショックな出来事が起きた。週末冒険会が発足して以来、ホームグラウンドとしていたキャンプ場が、ついに直火禁止となってしまったのである。

普段通り、キャンプ場に到着してみると、見慣れた林のあちらこちらに白い張り紙が、、、そこには大きな文字で”直火禁止”と、その下に”火は立ち木から2m以上離して燃やしてください”の文字。

傍にいたキャンパーの方と話してみると、禁止の理由は、どこかの馬鹿が立ち木を燃やしてダメにしたということ(らしい、、)

それが本当ならば、直火禁止以前のモラルの問題で、直火が直接の原因とは言えないと思うのだが、、焚き火台を使おうが、木の傍で大きな火を炊けば同じく燃えてしまうのは自明の理だ。

ということで仕方なく、急遽、焚き火台になるものを探しに、キャンプ場近くのホームセンターへ車を飛ばした。季節柄、ホームセンターではアウトドア・BBQコーナーが入り口付近で盛大に店を拡げており、その中には勿論、焚き火台やBBQコンロも販売されていた。

が、そういった既製品を購入する気が、ハナから私にはなかった。なぜならば、殆どの焚き火台において、その専用に作られた目的と価格が全く納得できないからだ。

そもそも焚き火台の意味とは何だろうか?焼け跡が残ることを防ぐ、あるいは地面を汚すことを防止するのがその目的であるとしたら、既存の焚き火台のデザインには問題があるものも少なくない。

そして、実情は焚き火台を使用していても、炭や燃えさしが落下して、地面を以前と変わらない状態にしておけることなど、ほぼあり得ない。また、焚き火を何のために、どう燃やすのか?という点を考慮した焚き火台が殆ど無いのも問題だ。

焚き火を燃やすこと、その目的には理屈がある。その理屈を実現するために、人類が長い間、経験と知恵を重ね生み出したのが、野外においては直火のかまどのデザインだ。

酸素を効率よく供給し、かつ内部の温度を出来るだけ高く保つこと。長時間、安定した燃焼を、なるべく手を入れずに続けられること。風をコントロールし、様々な種類・サイズの薪を使用可能なこと。

こうした要素を持ち合わせることが、薪集めや頻繁な手入れの手間を省き、少ない燃料でも効率の良い調理や暖房を可能としてくれるのである。いわば、エコで使いやすい野外の調理・暖房・照明器具が直火かまどだ。

しかし、焚き火台は地面から火を遠ざけることを主として考えられている為、かまどの持つ上記のような効能は殆ど望めない。

 

ということで、焚き火台が単に、火を燃やして遊ぶだけの器であるならば、不要に高価で、しかも使いにくいデザインの既製品よりも、縁のある鉄板があればその目的は十分に果たせる(地面からの距離を取るための脚は、大きめの石を並べるなどでOK)そうすれば、薄く軽量で保管や運搬も邪魔にならず、フトコロも傷まなくて済む。

ちなみにホームセンターを徘徊して見つけたのは、どこの会社の壁際にも並んでいそうな、スチール棚の棚板(¥890)だった。そして予想通り、その棚板は必要十分な使い勝手を発揮してくれたのである。

曖昧な定義である直火禁止の意味が、地面から距離を取って火を焚けばOKというのであるならば、こうした安価で手軽な代替手段はいくらでも見つかることを知っておいて欲しい。

 

ただ火を燃やすだけの割りに不必要に高額な焚き火台、あるいは直火禁止という本来の目的を叶えるには程遠いデザインの焚き火台。

そんなものを使うよりも、もっと賢く、スマートな直火の焚き火で過ごすキャンプが、本当の意味でエコ、地球にも優しいと思うのは私だけだろうか。

焚き火台の使用が圧倒的に主流の現在のキャンプ環境がそう簡単に変わるとは思っていない。
しかし、不必要に大きく燃やさず、一度火をつけた薪は完全に燃やし切る。きっちり後処分をする、、などの点を守れば、上記で書いたような理由も含め、直火が見直されるべき点は大いにあると思っている。

より少ない薪の消費量で済み、綺麗に燃やせて後片付けも楽、熱効率、薪の加工が要らない、、、そうしたかまどの意味や効能も忘れないで欲しい。

 

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