危険で美しい、”樵”という生き方

2017-04-07

kikori

 

先日、映画を見た。

タイトルは”Wood Job” どんな話かといえば、林業の話だ。

そう、平たく言えば、樵(きこり)になろうとする都会の若者が、ド田舎の山奥で、四苦八苦しながらも生きがいを見出すという、青春モノのストーリーである。

正直、そんなに完成度、面白さには期待はしていなかった。
原作が小説ものの実写版は、たいてい失敗するのが常識。

ところが、、期待に反して面白くて、勉強にもなったのである。

 

あまり詳しく書くとまだ見ていない人に悪いので、ストーリーは割愛するけれど、笑えたし、これまで少しは見聞きしていた日本の林業の実情も描かれていた。

鹿を始めとする害獣の問題。
若手人材の育成の難しさ。
ヒルやマムシだらけの山中での過酷な伐採作業、、

都会の人間からすると、これキッツイわぁ~!と声を上げそうな、リアルな樵の生活が描かれている。

 

けれど、そこで生きているプロの林業家、村の人達の気持ちが良くて純粋で、清々しいこと!

もちろん映画だから、演出があってオーバーにデフォルメされているのだとは思う。
だが、それを割り引いても、いいな~と思ってしまった。

そこには私がお世話になっている、本物の樵さんを見ていて感じるのと共通するものがあった。
屈託が無くて、純粋で、仕事にプライドを持っており、高度な山の知識・技術を身に付けている。

その生き方、気持ちの在り方は、私達がリフレッシュや癒しなどと称してアウトドアに求めている、自分のなりたい姿そのものなのではないか?と感じた。

 

うるさく鳴るスマホも、満員電車も、疲れるだけの会社の飲み会や、アホらしい社内営業もない世界。
静かな森の中、ただ集中して、木と向き合う。

切り倒す相手を見つめて、経験と技術とを駆使して、作業に没頭する。

これって、ただひたすら、山道を黙々と歩き続けたり、焚き火の火を燃やし続けたり、あるいは夜中に、森の静かなざわめきに耳を傾けたりするのと似ている気がした。

 

 

今、週末冒険会の基地となる、メンバー限定のキャンプフィールドを作ろうとしている。
森をそのまま、余計な手を入れずに、ありのままの自然の中で野営できる場所。

そこでは、直火はもちろん、穴を掘ろうが、木を切ろうが自由だ。
管理されず、自分達の責任で好きに、本当のキャンプを実践できる場とする計画が進んでいる。

先日も候補地の一つを見てきたのだが、1,000坪の土地にはアカマツ、カラマツが無数に生えていた。

どれも樹高十数メートルはあろうかという大きな木ばかり。
太さも私の両腕でちょうど一抱え出来るほどのものもあり、かなり立派なものが多い。

ということは、これを伐採して開墾するのは、なかなか大変な作業になると思う。
そう、業者に頼むのではなく、自分で一から開拓作業をするつもりなのだ。

と同時に、ある一抹の不安も湧き上がってきた。

 
あまり知られていないが、林業従事者(=樵)の労働災害における死亡率は、全産業中、群を抜いて高いのである。

樵の事故と言えば、一般的には、切り倒した木の下敷きになってしまうことくらいしかイメージが無いと思うのだが、実はそうではない。
素人には想像もつかないアクシデントが、いつも発生しているのが現状なのだという。

映画の中でも、林業学校での厳しい研修が描かれているが、この事故の話を聞いていたため、納得がいった。
気を抜いたり、適当な作業が即、命を落とす結果に繋がる仕事。だからこそ、厳しく訓練する必要があるということ。

すごく興味深いし、身に付けてみたい技術ではあるけれど、余り甘い考えでやると命取りになるな、、
と、少し考え直し始めてもいる。

 
 

余談だが、この映画を見ていて、へぇ~と思ったのが、片手で自分の胴にロープを回す結びを、林業の現場でも使っているのだと知ったこと。

レスキュー舫いと呼ばれる結び方で、高いところにいる場合に、自分の体が落ちないようにするためのロープワークだ。
(興味ある方はこちらをどうぞ⇒https://www.youtube.com/watch?v=wEB7LiWj2pY

 

プロの現場で使われている技を知るということは、それだけでも何だか楽しい。
この映画、見た後、チェーンソーが欲しくなる1作だ。
 
 

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